風の教室
〜野の花・山の花でおなじみの広山流です〜
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思いを消せずに・・・

額アジサイ 季節が通り過ぎて巡ってきて、かって、長年住み慣れた家が、ものの見事に取り壊されていくのを確認した。

 そこを去って半年余りが過ぎて、なぜかその日、足が向いた。

友人と散歩がてら立ち寄ってみようということになって、ゆっくりと慣れ親しんだ風景をたどりながらその門の前に立つと、懐かしい玄関の扉が開いていて、その先の2階があらわになっていた。

大きな解体の重機が、広かった庭に立ちはだかって鎌首をもたげていた。

ゆっくりと鎌首が振り下ろされて、すさまじい音をたてながら6LDKの家がつぶされていた。

あわただしい転居に持ち出せなかった庭の木や草花や、大切に育てた花たちが

ものの見事に踏みにじられていた。

あやうく泣きそうになった。

 幾たびか出向いて花木や草花を掘り起こそうと思いながら、転居に伴う信じがたい多忙を重ねて、ついに果たせなかった思いは、木っ端みじんに打ち砕かれた。

思いを重ねて、あちこちから集めて植えた貴重な茶花も、最早、巨大な重機の下敷きになっていた。

<当然である、仕方のないことである>ぶつぶつとひとりごちて、友人に促されながら背を向けた。

〜あぁさっぱりした!

頭の中は、豊かな草花に覆われた雑多な庭の匂いに満たされて、そのくせ何とも言い難い思いを抱え込んでいたのに、、、、

 

 飼い猫を横目で見ながら、快く受け入れてくれる住人の好意に甘んじて庭に寄って来ていたノラ猫たちは、引っ越し直後に郵便物の回収に来たとき、たちまち寄ってきたが、声をかけるや否や手を払いのけて一斉に立ち去った。

”無断で去って捨てた!”と言わんばかりであった。

ーそこを去るということは、かかわる思いも立ち去るー

 

心残りを抱えていて、寄る辺ない思いを秘かに重ねた年月が幕を閉じた。

 

季節が動き始めて、早い秋の足音が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

  

 

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