風の教室
〜野の花・山の花でおなじみの広山流です〜
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秋色の里
架け干し

 朝夕が少し冷え込むようになって、秋の訪れが感じられる頃、里山のあちらこちらで稲刈りが行われているのを目にします。夕暮れが早くなっていくころ、帰りを急ぐ車の中で「稲刈りが始まっていますね」と送ってくださる方に話しかけながら「もうこの頃は、棚田など山の奥に行かなければ架け干しなどの風景を見ることがなくなったですね」と言いながら家並みを抜けると、目の前に、その架け干しの風景が現れて、本当に驚きました。

もう何年も見ていなかった懐かしい風景に出合ったような、そんな驚きでした。
実際、何年はおろか何十年も遠ざかっていた風景でした。
見過ごしていたのかもしれないその風景は、若かったころの、というよりまさに若すぎた子供のころに一気に飛んで、乾草の匂いとか、たなびく夕暮れの野火の煙とかを思わせて、何とも言いようのない思いがこみ上げてきました。
 暮れなずむ前の夕餉の煙とか、山肌を染める残照とか、次々に巡る思いの中で、遠い日、祖母の里の架け干しの連なりの先で、隠れて読んでいた文学全集など、手伝わされる家事の煩雑を逃れた日々が駆け巡って・・・・

もう、ほとんど目にすることのなくなったといえるようなこんな風景は、毒されて暮らす都会の煩雑さの中に、はるかに消え去ってしまったのかもしれません。
通り過ぎてしまったおおらかで穏やかな時間とともに。
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