2013.09.20 Friday
大いなる先達に学んで・・・
「カラカラに干した梅干しを、少し削ってごはんに入れて炊いて・・・ちょっとシラス干しなど加えて混ぜれば、熱中症などにはならないのです」「練り梅とか唐辛子とか、昔の人はちゃんと知ってて食べていたので・・・・」
おん歳80ウン才の、本当にお元気な、長野おばあちゃんの家を訪ねました。可愛い目を細くして手を振って迎えてくださいました。
大人気の「長野おばあちゃんの料理教室」がなくなって、ほんとうにがっかりしていましたが、福岡の真ん中の新しい教室がはじまることになり、ほんの数か月お目にかからなかった間に、テレビや新聞に引っ張りだこのおばあちゃんは八面六臂の大活躍で、新聞に連載し、立派な料理本を出すことになって、少し照れながら、それでも嬉しそうに笑っておられました。
「待ってました!」がっかりしていた弟子たちが首を長くして待っているに違いありません。
「とんがらし取りに連れて行きましょうか?」
長野おばあちゃんを敬愛してやまない茅乃舎の副料理長を先頭に、大きなおばあちゃんの家の裏の畑に向かいました。見事な紅い唐辛子の畑の脇には、イノシシのエサになったために掘り起こして埋められた「さといも」の畑があり、器用に鍬を使っておばあちゃんが堀り起こしてくださいました。
籠一杯のサトイモと、真っ赤に熟れた唐辛子をいただいて帰路についたときには、まさに中秋の満月がのぼりはじめ、驚くほどの美しさで中空に浮いていました。
「葉っぱをきれいに取って、茎を揃えて紐で巻いて、あまりお日さまが直接当たらない涼しいとこに干すといいですよ」
一抱えほどの唐辛子は、真っ赤とオレンジと少し青唐辛子が混じって美しく、言われた通りに葉を取ると、まだ小さな白い花がところどころにあり、可愛く美しく、軒につるす前に水注ぎに活けてみました。
「水道捻ってチョロチョロ水流してサトイモ剥いてごらん、小さいものもホクホクおいしいよ。イリコで焚いてね」
明日は、そのサトイモを煮て、重いのに無理して買ってきた新米を焚いて、少し欠け始めた月を眺めながら、おいしい日本を味わいましょうか。