母猫は三毛猫、海辺を去るとき隣家に貰ってもらって、会いたいと思いながらなかなか会えなくて・・・
仕事が空いて、そうだ!とバスに飛び乗って、そっと辺りを訪ねたら玄関先で子供たちに会って・・・手を引かれて家の中へ。
「ネコちゃん2階にいるよ!」そのまま挨拶もそこそこに2階に上がると<猫ちゃんたちの部屋>には5・6匹の猫たちがいろんなグッズの中で自由に遊んで・・・。「この子だよ!」と抱いて連れてきた猫は、別れた時より一回り大きくなって、じっと私を見つめて。
すると、胸に飛び込んできて抱くと首をひねって私の手をなめ始めたのです。”チビちゃん!忘れてなかったのね!!”
”飼えるものなら・・・”マンションに暮らすことになり、泣く泣くネコ好きの隣家に貰ってもらって・・・・
まだ1年にも満たなかった子猫は、私のことは忘れていると思っていたが、胸に抱かれたまま何度も首をひねって私の顔を眺めては抱いた手を舐めて。飼い猫を失って、心のすきまを埋めてくれた外猫の子は、優しいまなざしで私を迎えてくれたのでした。
歓待に甘えて、帰宅したのは21時を回ったところでした。
]]>心の中に深く沈んでしまって立ち上がることができない・・・
何をしてもうつろで・・・・・
小さな骨片になるのを見送って、もう何年も経ったのに幸せでない・・・
幸せでいることができない・・
白いたくさんの花に囲まれて、美しい緑の中に見送って、やさしい友が寄り添って・・・でも幸せでいることができない。
多忙を重ねて、追いかけられて生きて、でも充実して生きていない。しかたがない!
何とかしなくてはいけない!
季節が巡って、ゆっくり休む暇もなくて、多忙に何とか生きていて、そうやって時が過ぎていって・・・
日本海側は雪で、太平洋側は雨で・・・天気予報が知らされます。明日は、山里の仕事が待っています。
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好むと好まざるとにかかわらず、選択の余地のない大国の大統領を得て、この国の一介の民は、末端の漠然たる不安を抱きながら、もはや過去となった誠実に心惹かれて・・・・・
昨年末ギリギリまで仕事に追われ、そして、恒例の年をまたいでのハッピーニュイヤーを古い外国の友と迎えて・・・・
あと、どのくらい楽しく生きられるのかしらなどど言いながら、また一つ年とっちゃったねと顔を見合わせたのでした。
バタバタと新年の一日を終えて独身に非ずの身は、かろうじて消えかかる元旦を追いかけて婚家の敷居をまたぎ、あるかなきかの立場を守って、 夜のとばりを背に、素のねぐらに戻ってきたのでした。
頭の隅に巣くっている処理しきれなかった仕事を抱えながら、それでも雑然とした場所に心なごんで、あとどれ位きちんと満足のいく生き方ができるだろうと心の中で襟を正す日、山積みの思いを重ねて大海に漕ぎ出す船を操って生きていかねばならない。
]]>そこを去って半年余りが過ぎて、なぜかその日、足が向いた。
友人と散歩がてら立ち寄ってみようということになって、ゆっくりと慣れ親しんだ風景をたどりながらその門の前に立つと、懐かしい玄関の扉が開いていて、その先の2階があらわになっていた。
大きな解体の重機が、広かった庭に立ちはだかって鎌首をもたげていた。
ゆっくりと鎌首が振り下ろされて、すさまじい音をたてながら6LDKの家がつぶされていた。
あわただしい転居に持ち出せなかった庭の木や草花や、大切に育てた花たちが
ものの見事に踏みにじられていた。
あやうく泣きそうになった。
幾たびか出向いて花木や草花を掘り起こそうと思いながら、転居に伴う信じがたい多忙を重ねて、ついに果たせなかった思いは、木っ端みじんに打ち砕かれた。
思いを重ねて、あちこちから集めて植えた貴重な茶花も、最早、巨大な重機の下敷きになっていた。
<当然である、仕方のないことである>ぶつぶつとひとりごちて、友人に促されながら背を向けた。
〜あぁさっぱりした!
頭の中は、豊かな草花に覆われた雑多な庭の匂いに満たされて、そのくせ何とも言い難い思いを抱え込んでいたのに、、、、
飼い猫を横目で見ながら、快く受け入れてくれる住人の好意に甘んじて庭に寄って来ていたノラ猫たちは、引っ越し直後に郵便物の回収に来たとき、たちまち寄ってきたが、声をかけるや否や手を払いのけて一斉に立ち去った。
”無断で去って捨てた!”と言わんばかりであった。
ーそこを去るということは、かかわる思いも立ち去るー
心残りを抱えていて、寄る辺ない思いを秘かに重ねた年月が幕を閉じた。
季節が動き始めて、早い秋の足音が聞こえてきた。
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年を重ね、広場に立たなくなって久しい。そして、その日の時刻にテレビの前に立って祈る。
悪天候によって、北九州の小倉に原爆が落とされなかったという事実、そして、それが長崎に悲劇を生んで、母と子を焼いたという事実。かって、アメリカとインドの女性と3人で長崎を旅し、広場に立って母と子の像を目にしたときに突然こみあげてきた思いに号泣し、2人を戸惑わせたことが思い出された。
2人は何も言わず、ただ黙って私が落ち着くのを待っていた。
そして2人は、そっと私を抱いた。
戦争という最悪の悪が、個々の人間の心と人生とを奪って、なお、影を落とそうと構える。
為政者の思惑を飲み込んで、母子像も千羽鶴も厳然とそこにある。戦争という最悪の悪を飲み込んで立つ。
灼熱の広場に、願いを込めて祈る心を、救い上げる明日であって欲しいと願わずにいられない。
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かっては山の中や里の近くに見られた素朴なユリは、もう滅多に見ることはできないといわれています。
小さな緑の植物たちの中で、不似合いな程の鮮やかな色合いで、華やかな色を添えています。
長年暮らした庭にたくさんの植物たちを残したまま移り住んできて、少しだけ伴ってきた小さな植物たちを木製の植木鉢に植えて、毎日の水やりにささやかな楽しみを抱きながら育てています。
背後に大きな森の緑を目にしても、多忙に暮らす日々に手に届く緑をよしとして、せっせと小さな植物とかかわっています。
友人の庭に咲く野の花たちが、株分けでわがベランダにやってくることになっていて、大きな楽しみになっています。
心優しき人たちが、遠い異国で銃弾に倒れ、理不尽としか言いようのない死を死んで、涙を流すしかない悲しみに心震える一日でした。
人間の、人間としての生き様が、何でこれほどまでに乖離するのか言葉が見つからない。
信じることの表裏は、かくも無残な形で理解を超える。
学ぶということを、どのように受け止めればよいのであろうか。
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